統合失調症 リスパダール 副作用

統合失調症の薬、リスパダールの副作用とは?

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リスパダールってどんな薬?
リスパダールは1996年に発売された抗精神病薬(統合失調症の治療薬)です。
抗精神病薬の中でも第2世代(非定型)という新しいタイプに属し、
古い第一世代(定型)抗精神病薬と比べるとその副作用は少なくなっています。

 

といっても、副作用が全く無いわけではありません。
その効用と副作用について見ていきましょう。
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リスパダールの効果
1、気持ちの高ぶりや不安感をしずめるほか、停滞した心身の活動を改善する作用があります。
そのような作用から、統合失調症にかぎらず、
強い不安感、緊張感、興奮、混乱、パニック、抑うつ、そう状態などいろいろな精神症状に応用することがあります。

 

2、自閉症、アスペルガー症候群などの易刺激性にも使えるようになりました。
易刺激性の具体的症状として攻撃性や自傷行為があげられます。

 

例を上げると、新しい場面や急な出来事に遭遇したとき、
思い通りにならないとき、悪い記憶が蘇って来たときなど、
ちょっとしたきっかけで機嫌を損ね、かん高い声で叫んだり、
興奮して物を壊したり、自分の体を強く叩いたりすることがあるのです。
リスパダールは、そのような易刺激性をやわらげるのにも有効です。

 

3、精神の病気の一つ統合失調症は、脳の情報伝達系に不調が生じる病気です。
現実を正しく認識できなくなったり、思考や感情のコントロールが上手くできなくなります。
幻聴など幻覚、妄想が特徴的な病気です。
リスパダールは、そのような脳内の情報伝達系の混乱を改善します。

 

おもな作用は、ドーパミンとセロトニンという2つの神経伝達物質を抑制することです。
2つをおさえることで、統合失調症の陽性症状(幻覚、妄想、興奮)と
陰性症状(無感情、意欲低下、自閉)の両方によい効果を発揮します。

 

リスパダールが効く仕組み
脳内のドーパミン2受容体を遮断することで、
ドーパミン神経系の高まりにより起こる陽性症状をおさえます。

 

また、セロトニン2受容体を遮断することで、
ドーパミン神経系の働きがよくなり、陰性症状が改善します。

 

リスパダールの使用上の注意
糖尿病のある人は、血糖値の上昇に注意するなど、慎重に用いる必要があります。
糖尿病の既往歴や家族歴、高血糖や肥満などで糖尿病発症リスクの高い人も要注意です。

 

肝臓病や腎臓病、パーキンソン病やてんかん、不整脈、低血圧、
体が弱っている人、高齢の人、また自分のいのちを絶ちたいという思いが強い人なども、慎重に使用するようにします。

 

寝たきり、または手術後などで長時間体を動かせない人、
脱水状態の人、
あるいは肥満のある人は血栓塞栓症の発現に念のため注意が必要です。

 

白内障手術をおこなう場合、事前にこの薬を飲んでいることを眼科医に伝えてください。
術中虹彩緊張低下症候群を起こす可能性があるためです。

 

認知症関連の精神症状に対する適応外使用例において、
死亡率が1.6〜1.7倍高かったという研究報告があります。
認知症における安易な使用は控えるべきです。
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それでは、リスパダールの副作用をひとつずつみていきます。
一般的な対処法なども記載しますが、これらの対処法は、
必ず主治医と相談の上、主治医の指示に基づいて慎重に行ってください。

リスパダールの副作用
1、錐体外路症状(EPS)
統合失調症は脳のドーパミン過剰で発症すると考えられていますが、
薬で逆に脳のドーパミンを少なくしすぎてしまうと生じるのが、錐体外路症状です。

 

リスパダールの錐体外路症状の頻度は、定型と比べると少ないものの、
非定型の中ではやや多めになります。

 

錐体外路症状の主な症状は、
※印振戦(手先のふるえ)
※筋強直(筋肉が硬く、動かしずらくなる)
※アカシジア(足がムズムズしてじっとしてられなくなる)
※ジスキネジア(手足が勝手に動いてしまう)
などがあり、直接命に係わるものではないものの、患者さんにとっては非常に苦痛な症状です。

 

リスパダールがドーパミン受容体を過剰ブロックすることで生じる副作用のため、
特に高用量のリスパダールを服用している場合に起きやすくなります。

 

これらの副作用が出た場合は、まずはリスパダールの減薬を試みます。

 

病状的にどうしても減薬ができない、という場合は、
錐体外路症状の少ない非定型抗精神病薬への変更も検討されます。
オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾールなどが上げられます。

 

2、高プロラクチン血症
高プロラクチン血症というのは、
脳下垂体から出るプロラクチンというホルモンの量が多くなってしまうという副作用です。

 

原因は、
リスパダールが脳下垂体のドーパミン受容体もブロックしてしまうためです。
ドーパミン受容体がブロックされると、プロラクチンが過剰に出てしまいます。

 

プロラクチンとは、本来は授乳中の女性で上昇しているホルモンです。
授乳中の女性は胸が張り、乳汁が出て、月経が止まります。

 

高プロラクチン血症になるとこれと同じ状態になるため、
胸の張り、乳汁分泌、月経不順、性欲低下などが生じます。

 

また男性であれば、勃起障害などが生じることもあります。

 

一番の問題は、プロラクチンが高い状態が続くと乳がんになる可能性が高くなります。

 

また、骨代謝に影響を与えて骨粗しょう症にもなりやすくなります。

 

そのため、高プロラクチン血症を発見したら放置せずに速やかに治療することが望まれます。

 

リスパダールで高プロラクチン血症が出現した時は、原則としてリスパダールを中止します。

 

3、体重増加
体重増加は精神科のおくすりの多くに認められる副作用ですが、
特に抗精神病薬で顕著です。

 

これは抗精神病薬が、ヒスタミン1受容体、セロトニン2C受容体をブロックするためです。
また、抗精神病薬が代謝を抑制することで、
糖やコレステロール濃度が上昇することも要因になります。

 

抗精神病薬は、血糖やコレステロールを上げると報告されており、
これは心筋梗塞や脳梗塞発症の危険性があります。

 

統合失調症の患者さんは、そうでない人と比べて、
心筋梗塞を発症する可能性が高いことが分かっており、
これは抗精神病薬にも要因があります。
そのため、投与量はできる限り少量にする必要があります。

 

4、口の渇き、便秘
アセチルコリンという物質の働きをブロックしてしまうことで起きます。
抗精神病薬の副作用です。
抗コリン作用は、
リスパダールがアセチルコリン受容体に結合してしまうことで引き起こされます。

 

口の渇きや便秘が代表的ですが、
他にも尿閉、顔面紅潮、めまい、悪心、眠気なども起こることがあります。

 

リスパダールの抗コリン作用は弱めであり、これらの副作用の頻度は少なめです。

 

抗コリン作用への対応策としては
※リスパダールを減量する
※他の抗精神病薬に変更する
※抗コリン作用を和らげるお薬を併用する

 

などの方法があります。

 

抗コリン作用を和らげるお薬として、
便秘が辛い場合は下剤、口の渇きが辛い場合は漢方薬などを使用します。

 

5、眠気
眠気は、主にヒスタミン受容体をブロックすること起きます。
他にもアドレナリン受容体やセロトニン2受容体なども多少関係しているようです。

 

リスパダールはヒスタミン受容体への影響は少ないため、眠気の頻度は多くはありません。

 

6、不整脈
そんなに多くはないのですが不整脈を起こす場合があります。
抗精神病薬の中でも古い第1世代に多く、
リスパダールなどの第2世代ではごく稀です。

 

服薬量が多いと発症しやすいため、
服薬量は最小限に抑えるようにします。

 

7、悪性症候群
極めて少ないのですが、抗精神病薬は悪性症候群という副作用に注意しなければいけません。
悪性症候群は、ドーパミン量の急な増減が誘因となることが多く、
急な減薬・増薬によって引き起こされる場合があります。
それ以外にも脱水などによって急に薬の血中濃度が高くなってしまった時に起きます。

 

第2世代ではほとんど生じませんが、可能性はゼロではありません。

 

悪性症候群では、
※発熱(高熱が出ます)
※意識障害(ボーッとしたり、意識が無くなったりすること)
※錐体外路症状(筋肉の硬直、手足の震えや痙攣、よだれが出たり上手く喋れなくなります)
※自律神経症状(血圧の上昇、呼吸が荒くなったり、脈が速くなったりします)
※横紋筋融解(筋肉が破壊されることによる筋肉痛)

 

などが引き起こされ、最悪の場合は命に関わります。

 

悪性症候群の可能性が疑われたら、原則として入院治療するべきです。

 

統合失調症を理解するためのお薦め書籍
知ることから理解が生まれます。
理解できれば不安が小さくなります。

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